24日に行われた連邦総選挙は、即日開票の結果、ラッド Kevin Rudd 党首率いる最大野党の労働党 Australian Labor Party が下院で150議席中83議席以上を獲得する見通しとなり、約11年ぶりの政権交代を成し遂げた。
世論調査の支持率でリードを奪われていた自由党・国民党連立与党側 Liberal/National Coalition は経済運営の実績などを強調して逆転勝利を目指したものの、同党首の人気を崩すことができずに完敗。ハワード首相自身が議席を失うことも確実視されている。
労働党は昨年12月のラッド党首就任以降、連立与党を上回る支持率を保ってきた。
ただし、選挙直前の20~22日に行われたオーストラリアン紙による調査で、連立与党の支持率が前回より2ポイント増の43%に上昇したのに対し、労働党は同2ポイント減の44%に低下。シドニー・モーニング・ヘラルド紙とACニールセンによる19~21日の調査では、両陣営の支持率は労働党が同1ポイント増の48%、連立与党が同3ポイント減の40%と水を開けていたとはいえ、接戦との見方も出ていた。
ところがふたを開けてみると、開票率75.6%時点で下院150議席のうち、労働党は過半数の76議席を超える83議席を確保。最終的に87議席に届く可能性もある地滑り的勝利を収めた。連立与党は当選が58議席(自由党48議席、国民党10議席)にとどまっており、最終獲得数は61議席になる見通し。
開票直後から当選確実の議席数でリードしていた労働党は、選挙参謀のホーカー氏が午後8時16分時点で勝利を宣言。新たに第26代の首相に選ばれるラッド党首は午後11時過ぎ、地元ブリスベーンのサンコープ・スタジアム内のダイニングルームに集まった1,000人余りの支持者の前に姿を現した。

The Tally Room at Suncorp Stadium.
ラッド党首は、ハワード首相から電話で祝福を受けたと述べた後、「われわれには立場に大きな違いがあるとはいえ、偉大な国である豪州に強い誇りを抱くという共通点が持つ」とコメント。同首相のこれまでの功績をたたえた。
同党首はその上で、「すべての豪州人のための首相になる」との意向を表明。「すばらしい副党首だったギラード(影の労使関係相)はすばらしい副首相になる」と述べるとともに、スワン影の財務相をはじめとする影の閣僚らの貢献度に言及し、従来の有力議員を中心とする組閣を示唆した。
首相、事実上のお別れスピーチ
一方、ハワード首相はこれに先立ち、同日午後10時半ごろからシドニー市内のホテルでスピーチし、敗北を認めた。
同首相は労働党から政権を奪った時より、豪州が「より誇り高く、より強く、より繁栄した」国になったと主張し、「一国の首相を務めることほど、栄誉ある仕事はない」と発言。「負けた責任をすべて負う」と語るなど、スピーチ自体が「政治家として最後のキャリア」となると認識していたもようで、自身の議席に関し「失う可能性が高い」と話したのに対し、支持者からは悲鳴のような否定の声が上がっていた。これが確定した場合、1929年のスタンリー元首相に続く2人目の現職首相の落選となる。
対照的に沸いたのは、首相の「刺客」としてベネロング選挙区に送り込まれた国営放送ABCの元女性キャスター、マキュー氏(労働党)の集会。当選確実とみられる同氏は勝利宣言こそしなかったものの、「労働党にとって、素敵な夜になった」と満面の笑みを浮かべた。
自由党は、ブラフ家族地域社会相が落選したほか、72年以降政権政党が議席を握るニューサウスウェールズ(NSW)州イーデンモナロ選挙区でも、現職のネアン議員が労働党の大物候補者の1人で陸軍の士官から転身したケリー氏に敗れている。